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メンデルスゾーンと私〜其の弐
エッセイ / TAKAHIRO AKIBA


2003年に出版された星野宏美先生のご著書(音楽之友社)


 メンデルスゾーン研究者の星野宏美先生のお名前に初めて接したのは、日本メンデルスゾーン協
会の会報の紙面上においてでした。その協会の例会コンサートのレポート記事の中で、マイクを片手にメンデルスゾーンの音楽についてのレクチャーをしていらっしゃる星野先生のお写真を目にして、子供心に「いつの日にかこの先生にお会いして、お話を伺いたい!」という夢が湧き起こりました。

 それから6年後、その「夢」はとうとう叶ったのです!当時(2006年)、藝大の学部4年となっていた私は、その新しい年度の履修科目を決めるために、分厚いシラバスに目を通していました。すると、「作曲家作品研究」という授業科目のテーマに「メンデルスゾーン」の名前が記されているのが目に止まり、「もしや!」と視線を下に傾けると、なんと、あの憧れの星野宏美先生のお名前が担当教員として記されていたのです!私は狂喜して、その日のうちに履修登録を行いに走ったことを今でも覚えています。

 期待に胸を膨らませながら受講した星野先生の授業は、先生が藝大において博士号を取得された際の研究テーマでもある「スコットランド交響曲の成立史」を主体としたものでしたが、私の期待を遥かに超えて、毎回毎回の講義が極めて綿密に準備された奥行きのある内容で、まさに、「目からウロコ」の連続に、ただただ驚嘆するばかりでした。また、先生の授業の性格というものは、メンデルスゾーン芸術の成立過程に対して、その明晰な学術的見地からのみアプローチするのではなく、天才的存在でありながら、やはり一人の人間として苦悩し、葛藤したメンデルスゾーンという人物の人間性と精神性、そして「心」をも重んじた内容によって特徴付けられていました。そして、先生は私たち学生からのメンデルスゾーンに関するいかなる質問に対しても、極めて明解かつ興味深いお答えをお示し下さり、また、学生側からの拙い発想や意見に対しても、常に真剣な眼差しとともにお耳を傾けてくださいました。

 一年間の授業というものは、あっという間に過ぎ去ってしまうものですが、この一年間の星野先生の授業こそが、私の藝大時代の最大の「宝」であり、最も思い出深いページとなっているのです。

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